フリースクールてだのふあの日常をのぞいてみませんか?──てだのふあ通信の紹介

目次

フリースクールの日々をまっすぐに伝えるおたより、てだのふあ通信とは?

NPO法人 フリースクールてだのふあ
滋賀県彦根市のNPO法人「フリースクールてだのふあ」は、不登校の子どもらの居場所づくりに取り組まれています。 てだのふあは沖縄の方言で「太陽の子」の意味です。「しぜんな成長」を支援しようと、学習の時間やスタッフらによる絵画教室など様々な教室を用意し、登山や座禅体験などにも取り組んでこられました。 代表を務める山下吉和さんは元小学校教師。「子どもに寄り添った活動をしたい」と、2020年にてだのふぁを発足されました。向き合ってきたのは音に敏感な子や対人関係に傷ついた子……。「心身共に開放し、のびのびと過ごして」と願い、不登校の親にも寄り添ってこられました。
📌 てだのふあ公式Facebookページはこちら

そんな「てだのふあ」の日常や、子どもたちの声、そして季節ごとの出来事を丁寧に伝えてくれるのが、《てだのふあ通信》です。てだのふあ通信は、てだのふあの代表である山下吉和さんが、Facebookを使って発信されています。

てだのふあ通信の内容をちょっとご紹介 !

てだのふあ通信 No.1031

キャンプ実行委員、奮闘!

毎年5月に開催されている「てだキャンプ」は、今年で6回目。川・山・森とのふれあい、飯ごう炊さん、キャンプファイヤー、星空観察に「こどものカタリバ」……と盛りだくさんの内容で、子どもたちに大人気の行事です。

初回は子どもの人数も少なく、夜には「おとなのカタリバ」が中心でしたが、今では子ども主体のイベントへと進化。年々、計画の段階から子どもたちが関わるようになってきました。

今年の実行委員は、中3のD君、中1のMさん・R君、小6のYさん、小5のSさん。キャンプの「めあて」やルール、班分けまで、仲間の声を聞きながら原案をつくり上げました。視覚的にわかりやすく伝えるため、イラストも使って工夫しました。

発表当日、自信を持って堂々と説明し、質問にも臨機応変に対応。全員納得のうえで原案が承認されました。会議を重ねるごとに、子どもたちの表情が引き締まり、「やるぞ」という意欲が伝わってきます。

さあ、キャンプ当日が近づいてきました。楽しみです!

てだのふあ通信 No.1035

ティメオさんと異文化交流

日本でホームステイ中のフランスの青年ティメオさんが、「てだのふあ」にやってきました。現在、日本語を勉強中とのことですが、その豊かな表現力には驚かされました。片言の言葉の奥に、日本文化を深く学ぼうとする真剣さが感じられました。

子どもたちからは、
「フランスでは何が流行ってる?」「どんな国?」「どんな遊びがあるの?」と質問が次々に飛び出します。その一つひとつに、ティメオさんは耳を傾け、意味をくみ取りながら、日本語で丁寧に返してくれました。

中でも圧巻だったのは、ルービックキューブのパフォーマンス。5つのキューブを1分足らずでそろえる姿に、子どもたちの目は釘づけでした。「好き」を極めた力に、みんなが感動!感化された子どもたちが、その後さっそく挑戦し、ティメオさんの笑顔がこぼれました。

さらに、フランス語での挨拶を教えてもらったり、みんなで歌を歌ったり。あっという間の時間でしたが、異文化との「交流」というより、人として自然に惹かれ合うような、あたたかな出会いでした。

通信から見える、「てだのふあ」が大切にしていること

「自然の中にいるだけで落ち着く。」
「伊吹山の夕日を見たとき、自分は自分でいいって思えた。」

——「てだのふあ通信」では、こうした子どもたちの素直な言葉が紹介されています。

学校という枠組みを離れ、自分のペースで、安心できる人たちと過ごすなかで、子どもたちは少しずつ、自分の気持ちや考えを言葉にできるようになっていきます。

また、通信に綴られた言葉からは、「てだのふあ」を運営する山下さんのあたたかな人柄も伝わってきます。子どもたちの変化を見守るまなざしや、一人ひとりの声をていねいに受けとめる姿勢が、通信を通して自然に感じられるのです。


Flyingでも、「てだのふあ」の日常や子どもたちの声を、さまざまな角度から取材しています!

生活綴方

山下さんが、小学校教員時代に、初めて向き合った不登校のケンジ君(仮名)と、ケンジ君と周囲の大人の成長を助けた『生活綴方』の実践について、全4回に分けてお伝えしています。

学校行かないカモラジオ 文字起こし

てだのふあを立ち上げられた背景や、山下さんが大切にされている価値観などを全4回に分けてお聞きしています。 

この記事を書いた人

Inokuchi Tamakiのアバター Inokuchi Tamaki 学校行かないカモラジオインタビュアー・Flyingエディター兼ライター

学校行かないカモラジオインタビュアー・Flyingエディター兼ライター。
2002年生まれ、滋賀県出身。同志社女子大学卒業。大学在学中に藤原辰史『ナチス・ドイツと有機農業』に影響を受け、ドイツの有機農家でホームステイを経験。人と自然の関わり、政治や教育のあり方に関心を持ち、各地で取材を行っている。

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