滋賀大学の中野桂先生・講師によるClass01 “経済学のめがねで現代をみる”の第5回講義を行いました。今回は、会場を彦根のまちなかにあるほっこりカフェ朴に変更して開催しました。
受講者からのレポートをご紹介します。
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Report
Class01 “経済学のめがねで現代をみる” 第5回講義「研究開発の経済学(私的所有制と知的財産権)」 2017.8.10
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レポート(ななつさんから)
「私的所有制について考えよう」
そんなこと改めてまとめて考えたことなかったです。物、土地、技術、アイデアなどの私的所有制について。
お茶を飲んだりしながら政治について語り合う『くらしとせいじカフェ』という集まりを時々友達と開催しています。
固定メンバーとやるのではなく、誰でも、どんな形でもできて、誰の許可も必要ない。やりたい人がやりたいようにできる集いにしたいなと。『くらしとせいじカフェ』をやりましょうと言われれば、ゆるゆると政治について語り合う時間だと何となくイメージができれば、私も含めて、いろんな人が「政治」について主体的にかかわるきっかけづくりになるんじゃないかなと。ただ、語り合い、聞き合うだけなんだけど、思いのほか、すごいエネルギーを生み出すことを感じています。
いろんな方が『くらしとせいじカフェ』を開いていますし、固有名詞として会話に出てきたりして、少しづつだけど広がってるなーと感じています。
美術を学んでいた学生の頃は「私だけの表現とは?」ということばかり考えていましたし、日常でも、「私のものは私のもの、あなたのものはあなたのもの」それぞれがしっかりとルールを守ることが平和を守ること。などと、単純にしか考えていなかったかもしれません。
今回の講義で、桂さんや参加者さんのお話しを聞いていて、なるほど!私的所有を持たないことが、逆に何かを維持し守るかもしれないということを、私も経験していることに気がつきました。
へー、おもしろいなー!
つまり、臨機応変、いろんな視野でより良い価値観をみつけて、みんなで共有できるように、あーでもない、こーでもないといいながらやっていくのがいいんやなー。いろんな経験をされた方が集う「てらすくらす」最高やなー!と改めて思いました。ありがとうございました。
レポート(高木あゆみさんから)
てらすくらすも残すところあと2回。
今回のテーマは”私的所有性”。
そもそも私的所有性とは何か。私的所有性は、”自分のものは自分のもの”とい
う考え方で、これは、周りの人間が、もしくは社会・コミュニティがそのルール
を認識しているからこそ成り立つものである。現在の日本では大抵の土地が、誰
か個人のもの、もしくは公共のものとして成り立っているが、例えば先住民族の
文化では一般的に土地は”共有”するものという認識が強い。イメージで言うと、
境界線をぴっちり引いて、”ここまで”と決めているか、境界線を引かずなんと
なくの縄張りを一つの部族ごとにもっていてなんとなくそれらは重なり合ってい
る部分もある、という感じだと思われる。(確か、”私”という漢字も、”ム”
の部分は”囲う”を意味しているはずだ。)
もう一つのキーワードが”公共財”という考え方である。
例えば、ある企業が新薬を開発した場合(技術など=知的財産)、しばらくはそ
の研究開発投資を回収するために、売り上げはその企業に還元されるべきだが、
回収完了以降は、公共財として一般に利用できる方がより多くの人に安定して安
価で供給できるため、より大きな社会的余剰を得られると考えられる。
そこで私の頭に浮かんでくるのが、現在取り組んでいる”琵琶湖フィッシュアン
ドチップス”のプロジェクトである。
琵琶湖フィッシュアンドチップスは、先月末開催されたびわ湖せっけん運動40周
年記念集会「びわ湖発。未来のセンタク。」に合わせて結成した、びわ湖の魚と
滋賀県産無農薬の素材を使った滋賀の新しいソウルフード(になる予定)。
魚は、高島の漁師・中村清作さんにお願いし、衣にはショップマドレの自家製粉
米粉(お米はシバタプラセールファームさんの無農薬米)、じゃがいもは今回は
クサツパイオニアファームさんの無農薬じゃがいも、揚げ油には菜の花プロジェ
クト発祥の地愛東の圧搾菜種油「菜ばかり」を使用しており、塩などを除く全て
の材料が滋賀県内で作られ、仕入れも作り手から直接行い、農法も無農薬で無駄
な資源を投資しないうえ土への負担が少なく、さらに使い終わった揚げ油は石け
んに変身し、さらに生分解性の高い石けんも滋賀県内で使われればびわ湖も綺麗
(そしてまたそこで獲れた魚を食べる)、という非常に社会的意義の高い食の形
と言える。
つまりは、琵琶湖フィッシュアンドチップスを通じて食育も実践できるというこ
とだ。食を通じた”教育”である。
今回の講義の中で興味深かったことの一つが、”教育の公共性”で、後々に社会
を作る人材になるということを考えると、教育というのは公共であるという考え
方である。
そのことも含めて考えると、やはり琵琶湖フィッシュアンドチップスは、”公共
財”にした方が、より大きな社会的余剰を生むのではないか、という考えに至る。
あくまでも、私の主観ではあるが。
とはいえ、構想2年、周りの仲間たちの力を借りてようやく実現、デザインにも
かなり力を入れ、システムを構築しているところでもあり、我ながらとても面白
く未来のあるプロジェクトだと感じているからこそやはりまだ愛着がある。
ここで登場するのが「知財の保護」の話だ。知財には保護の期間と範囲があり、
それもある程度自分で決められる。
残念ながら、知財保護を解除しても、琵琶湖フィッシュアンドチップスの場合、
価格は下がらないが。
正当な価格で仕入れ、正当な価格で販売するスタンスは変わらない、ただ”機会
”が増える、つまり滋賀県内の経済が活性化させられる(はず)。そして自分の
手でものを生み出す人間が増え、もしかしたら起業する人が増える可能性もある。
なので、イメージ的には、どこかのタイミングで私は琵琶湖フィッシュアンドチ
ップスから手を引き(知財の保護の解除?)、琵琶湖フィッシュアンドチップス
というネタでいろんな人が好き勝手遊び(雇用の創出?)、その結果広がり、農
家さんにとっても、漁師さんにとってもモチベーションになり、実際に経済的に
成り立つため無農薬の農家さんも増え、土が守られることにより生き物たちも守
られ、風景も守られ(建物を含め、景観を作るものは、”公共財”ということも
講義で出てきた)、石けんユーザーも増えて琵琶湖(これぞ、公共財!)もきれ
いに、ものづくりの輪もさらに広がり、水も景色も綺麗で面白いから滋賀にどん
どん人が来て(地価も上がり?)、そんな風になることを夢見ながら今回のレ
ポートを締めくくることにする。
(琵琶湖フィッシュアンドチップスinstagram:https://www.instagram.com/biwako_fish_and_chips/)
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ダイジェストムービー
※準備中
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